こんにちは。兵庫県宝塚市にある、医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科です。
虫歯の治療を終えたとはいえ、その歯が二度と虫歯にならないわけではありません。虫歯の再発である二次虫歯に罹患する方は多く、予防しなければならない疾患のひとつです。
今回は、二次虫歯の特徴や原因、予防法などについて解説します。
二次虫歯とは
二次虫歯とは、一度治療した歯が再度虫歯になることを指します。
「白い詰め物の周りが変色してきた」「冷たいものを飲むと銀歯を入れた歯がしみる」など、治療をした歯に異変を感じる場合は、二次虫歯になっていることも考えられます。また、変色はコーヒーやお茶などによる着色で、しみる原因は知覚過敏の可能性もあります。
いずれにしても歯科医院に受診し、診断してもらいましょう。
二次虫歯の特徴
二次虫歯は、一度治療をしているがゆえに虫歯になる心配はないといった油断から、思わぬ症状を引き起こすことがあります。最終的には歯を失う原因にもなるため、以下のような特徴を理解しておきましょう。
- 症状がわかりにくい
- 症状の進行が早く重症化しやすい
- 歯を失う原因にもなる
それぞれを解説していきます。
症状がわかりにくい
自ら虫歯に気付くのは、痛みがあったり歯に穴があいていたりと何らかの異変を感じたときです。
二次虫歯になっても詰め物や被せ物に隠れて見えにくく、自分で見つけるのは容易ではありません。二次虫歯を見つけたにもかかわらず、詰め物や被せ物を外すと虫歯が中で広がっていることも多くあります。
症状の進行が早く重症化しやすい
虫歯は、歯の表面にあるエナメル質で起こります。エナメル質は硬く厚みがあるため、虫歯になっても進行はあまり早くありません。
ただし、二次虫歯では一度エナメル質を削って治療しているため、より深くにある象牙質まで症状が及んでいる場合があります。象牙質はエナメル質と比較してやわらかく、虫歯の進行が早まります。さらに進行すると、歯髄まで虫歯が波及し、痛みが出るなど重症化の恐れがあります。また、上記のように症状がわかりにくく、発見が遅れることが多いのも重症化しやすい原因です。
歯を失う原因にもなる
一度治療で削った歯が二次虫歯になった場合は、より大きく削って治療しなければなりません。
残った歯は薄くてもろく、最終的には抜歯に至ることがあります。また、症状の進行が早く、二次虫歯に気付いたときには歯を残せないほど重症化している場合があります。すでに神経のない歯が二次虫歯になったときには、症状が進んでも痛みなどの自覚症状はほとんどありません。二次虫歯が進行した結果、歯のほとんどが虫歯になっている・虫歯で歯の根が割れてしまったなどの理由で抜歯せざるを得ない可能性があります。
二次虫歯の原因
二次虫歯の原因には以下のようなものがあり、複数重なると重症化しやすいため注意が必要です。
- 素材の劣化
- 不十分な歯磨き
- 治療に問題がある
それぞれ解説していきます。
素材の劣化
治療部分の材料が劣化することによって、二次虫歯は引き起こされやすくなります。
詰め物や被せ物は、月日が経つと素材が劣化し、歯との密着性が低下することで、すき間ができます。銀歯はプラークが付着しやすい素材であることから、プラークに潜む細菌が詰め物や被せ物と歯のすき間から入り込み、二次虫歯の原因となるのです。
また、詰め物や被せ物を接着するセメントの劣化も原因のひとつです。セメントが劣化すると、詰め物や被せ物が外れやすくなります。そのまま放置すると二次虫歯を引き起こすため、注意しましょう。
不十分な歯磨き
虫歯の直接的な原因はプラークに含まれる細菌です。治療した箇所にプラークが蓄積することによって細菌が繁殖します。
素材の劣化などによるすき間から細菌が入り込み、中に残っている歯を溶かします。
治療に問題がある
一度目の治療で、歯の根の治療をしても細菌が取り除けていなかった、歯と詰め物の密封性が悪くすき間があったなどの問題がある場合は、二次虫歯を引き起こす可能性が高くなります。
時間が経過すると残された細菌が活発化したり、すき間に細菌が入り込んだりすることで、二次虫歯を引き起こすのです。
銀歯は二次虫歯になりやすい
銀歯は二次虫歯になりやすいといわれており、高い確率で再治療が必要です。
銀歯を詰めたり被せたりする際には、歯との間に境目が生じます。銀歯を接着するセメントは境目を埋める役割を果たしていますが、月日が経つことで劣化し、徐々に溶け出してしまいます。さらに、金属である銀歯は、飲食したものの温度によって収縮・膨張が起こりやすく、歯とのすき間や段差ができやすいのが特徴です。こうしてできた歯とのすき間にプラーク中の細菌が入り込むと、二次虫歯を引き起こします。
二次虫歯の予防法
二次虫歯は、歯科医院と連携しながらセルフケアを行うことで十分予防できます。
二次虫歯の予防法は、以下のとおりです。
- 二次虫歯予防も意識した歯磨きを行う
- 正しい生活習慣を送る
- 定期検診へ行く
- 耐久性の高い素材を選ぶ
それぞれを解説していきます。
二次虫歯予防も意識した歯磨きを行う
プラークを蓄積させないよう正しく歯を磨くことが大切です。
注意する点は、食後や就寝前に歯を磨く・歯ブラシを細かく動かして磨く・歯間ブラシやフロスを併用するなど、基本的な虫歯予防のための歯磨きと変わりません。それに加えて、二次虫歯を防ぐ観点から、詰め物や被せ物と歯の境目は特に気を付けて磨きましょう。
一度虫歯になって治療した部分は、元から歯磨きが十分ではなかった可能性が高いです。二次虫歯になる可能性があるところは汚れがたまりやすい部分であることを意識して歯を磨きましょう。
正しい生活習慣を送る
二次虫歯を防ぐための正しい生活習慣は、以下のとおりです。
- 甘いものや間食を控える
- よく噛んで食べる
- 食後は歯を磨く
- 禁煙する
- 口呼吸をしない
- ストレスを溜めない
虫歯の原因になる細菌は、糖分を取り込み繁殖します。また、食事をしたあとの口の中は酸性に傾き、歯が溶けやすい状態になります。甘いものを食べたり間食が多かったりすると、口の中が酸性で細菌が繁殖しやすい状態になり、二次虫歯のリスクが高まります。
口の中における乾燥と虫歯は関連があります。唾液には、細菌によって溶かされた歯を修復する再石化機能や、歯に付着した食べかすやプラークを洗い流す自浄作用があります。よく噛んで食べることで唾液の分泌を促し、乾燥につながる喫煙や口呼吸は控えましょう。ストレスによる自律神経の乱れも唾液の分泌を抑制させる原因です。心身ともに健康な生活を心がけ、二次虫歯を予防しましょう。
定期検診へ行く
二次虫歯は自覚症状がないことが多く、重症化しやすいのが特徴です。
定期的に歯科医院を受診していれば、二次虫歯を未然に防げます。発症していたとしても、早期に発見することで重症化は防げるでしょう。また、定期検診で歯石除去やクリーニングを行うことで、プラークが付着しにくい清潔な状態を保てます。
二次虫歯になりにくい素材を選ぶ
二次虫歯になりやすいといわれている銀歯に代わって使用される素材がセラミックです。
セラミックと銀歯の特徴を表にまとめて比較しました。
<セラミックと銀歯の特徴>
セラミック | 銀歯 | |
---|---|---|
メリット | ・劣化しにくい ・汚れが付きにくい ・接着性がよい ・審美的に優れている |
・費用が安価である ・強度が高い |
デメリット | ・費用が高い ・強度が比較的低い |
・汚れが付きやすい ・歯との間にすき間ができやすい ・接着性が劣る |
セラミックは、陶器と同じ素材であることから、艶があり汚れが付きにくいのが特徴です。劣化しにくく歯との接着性がよいため、二次虫歯になりにくい素材といえるでしょう。
ただし、銀歯と比較すると費用が高く、強度が弱いため、どちらの素材がよいかは歯科医師と相談して判断しましょう。
患者様の声
転居し、新たな歯医者さんを求めながらも、家の介護等、自分のことがあと回しになっていました。虫歯はもちろん、口内の状態が悪いのを感じながらも、月日が流れていました。そんな折、宝塚ライフ歯科さんが開院し、ホームページを拝見しました。院内の設備や雰囲気、そして先生方、衛生士さんのお顔・コメントなどが開示されていて、そこで一気に安心して、予約に至りました。初診で丁寧なカウンセリングをしてもらい、気さくに相談できるうえ、清潔で気持ちのよい空間で診ていただけます。ひどい状態の歯を救っていただき、ほんとうに感謝しております。
開業してすぐの時からお世話になっています。これまでは、ずっとその場しのぎで対応してきた虫歯治療ですが、生涯にわたる長い期間を見据えた治療提案のもと、ていねいに治療実施していただきました。現在のよい状態を維持し続けられるか不安もありますが、せっかくきれいに治療していただいたので、しっかりと健康な状態を維持できるよう努めていきたいです。
とてもきれいな医院で、スタッフの方々の対応も温かくていねいで、ずっと通いたくなるすてきな歯医者さんです。
まとめ
二次虫歯は罹患率が高く、気付かないうちに重症化しやすい疾患です。セルフケアに加えて、定期検診へ行くなどして予防しましょう。
二次虫歯にお悩みの方は、兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科にご相談ください。
奥村亮司