こんにちは。兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科です。
虫歯が進行し歯の神経まで達してしまうと、強い痛みや腫れを引き起こします。このような場合に行われるのが根管治療です。
しかし、根管治療は一度の通院では終わらないのが一般的です。複数回にわたる治療が必要となるケースが多く、長い時間がかかることに疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、根管治療に時間がかかる理由や、治療を受けるべき重要性について詳しく解説します。
根管治療とは
根管治療とは、根管内を清掃・消毒して密閉する治療法です。虫歯や外傷などによって歯の内部にある歯髄(しずい)と呼ばれる、神経や血管が炎症や感染を起こした際に実施します。この治療により、歯の保存が可能となり、抜歯を避けることができます。
根管治療には、主に抜髄(ばつずい)と感染根管治療の2種類があります。
抜髄は、虫歯が進行して歯髄に炎症が及んだ場合に、痛みを取り除くために歯髄を除去する治療です。感染根管治療は、歯髄が壊死し根の先に膿が溜まるなど、より深刻な感染が生じた場合に、壊死した歯髄や汚染された根管内の組織を徹底的に清掃・消毒する治療です。
根管治療が終わるまでの期間
根管治療の完了までに要する期間は、患者さまの歯の状態や治療の複雑さによって異なります。一般的には、1週間に1回のペースで通院し、治療回数は2~3回が目安とされています。したがって、全体の治療期間は数週間から1ヶ月程度となることが多いです。
しかし、奥歯のように根管の数が多い場合や、感染が広がっているケースでは、治療が複雑化し回数や期間が増えることがあります。前歯など、根管が少なく単純な構造の歯では、短期間で治療が完了することもあります。
根管治療に長い時間がかかる理由
根管治療が長時間かかる主な理由は、以下のとおりです。
根管の複雑な構造
歯の根管は非常に細く、複雑な形状をしています。特に、奥歯は根管が複数存在し、その形状も多様です。このため、根管内の感染組織を完全に除去し、適切に消毒・充填するには、高度な技術と慎重な作業が求められます。
治療は段階的に進行する
根管内の感染が深刻な場合、一度の治療で完全に細菌を除去することは難しいです。そのため、根管内に薬剤を充填し仮封を行い、細菌を徐々に減少させるプロセスを繰り返します。
消毒の過程を無理に短縮することはできないので、治療期間が長くなるのです。
再感染リスクの管理
根管治療中に根管内を傷つけてしまうと、再感染のリスクが高まります。治療は、慎重かつ丁寧に進める必要があります。
長く時間がかかっても根管治療を受けたほうがよい理由
根管治療は、治療期間が長くなることがありますが、それでも受けるべき重要な理由がいくつかあります。
自然な歯を残せる
根管治療を行う最大のメリットは、歯を抜かずに保存できることです。歯は一度失うと元には戻らず、抜歯後にはブリッジやインプラントなどの人工的な補綴治療が必要になります。
しかし、天然の歯は人工のものに比べて噛む力を効率よく伝えることができ、違和感なく食事や会話を楽しめます。
また、周囲の歯にかかる負担を減らし、口腔全体の健康を維持する役割も果たします。そのため、可能な限り歯を残すことが、将来的な口腔機能の維持にとって最も良い選択肢といえます。
感染拡大を防ぐことができる
根管治療が必要な状態を放置すると、感染が根の先端から顎の骨にまで広がり、強い痛みや腫れを引き起こす可能性があります。さらに、炎症が慢性化すると骨の吸収が進み、歯の周囲の組織が破壊されることもあります。
また、口腔内の細菌が血液を通じて全身に広がることで、心臓疾患や糖尿病の悪化など、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。根管治療を適切に行うことで、これらのリスクを回避し、歯だけでなく体全体の健康を守れるのです。
抜歯後の治療に比べて負担が少ない
根管治療は時間がかかるものの、抜歯後に行う治療と比べると、患者さまへの負担は少ないといえます。歯を失った場合、選択肢としてブリッジやインプラント、入れ歯などがありますが、これらの治療には長期間の治療が必要になり、費用の負担も大きくなります。
特に、インプラント治療では、顎の骨に人工歯根を埋め込むための外科手術が必要であり、治癒までに数ヶ月を要することもあります。根管治療は歯を残しつつ機能を回復できるため、長期的に見ても負担の少ない選択肢といえるでしょう。
長期的なコスト削減につながる
一見すると、根管治療は何度も通院する必要があるため、時間と費用がかかるように感じるかもしれません。
しかし、長期的に考えれば、抜歯後の治療を選択するよりも、結果的に経済的な負担を軽減できるケースが多いです。例えば、インプラントは1本あたり30〜60万円の費用がかかり、メンテナンスも必要になります。
また、ブリッジを選択した場合でも、支えとなる両隣の歯に負担がかかり、将来的に追加の治療が必要になることがあります。根管治療を受けることで、これらの費用を抑えつつ、自分の歯を長く維持できるようになります。
根管治療の流れ
根管治療は、歯の内部にある神経や血管が感染した際に、それらを除去し、歯を保存するための重要な治療法です。以下に、根管治療の一般的な流れを説明します。
診断と治療計画
まず、患者さまの症状やレントゲン画像を基に、歯の状態を評価します。感染の程度や根管の形状を把握し、適切な治療計画を立てます。
麻酔と隔離
治療中の痛みを軽減するため、局所麻酔を施します。また、治療部位を唾液や細菌から保護するため、ラバーダムと呼ばれるゴム製のシートで患部を隔離します。
虫歯や被せ物の除去
切削器具を用いて、虫歯や古い被せ物を丁寧に取り除きます。これにより、根管へのアクセスが容易になります。
歯髄の除去と根管の清掃
専用の器具(ファイル)を使用して、感染した歯髄を除去します。その後、根管内を洗浄・消毒し、細菌の除去を徹底します。
根管の充填
清掃・消毒が完了した根管内に、ガッタパーチャと呼ばれるゴム状の材料を緊密に詰め、再感染を防ぎます。
修復と被せ物の装着
根管充填後、歯の強度を補うための土台(コア)を作製します。その上に被せ物(クラウン)を装着して、歯の機能と外観を回復させます。
患者様の声
ここでは、当院に通っている方の口コミをご紹介します。
定期検診を受けている方の口コミ
院内が清潔で内装もおしゃれなので毎回定期検診に来るのが楽しみです。スタッフの方々も優しく担当の衛生士さんが丁寧で安心して通院できています。
定期的に通院している方の口コミ
とにかく清潔感あり、先生の腕前は申し分ありません。作業が早いし、丁寧に説明があるのが、嬉しい。歯科衛生士の方々もテキパキ動き、手際良い感じ。
気持ちよく受診させて頂きました。
まとめ
根管治療は、歯の内部にある神経や血管が感染した際に、歯を保存するために行われる重要な治療です。この治療には時間がかかることが多く、複数回の通院が必要になる場合があります。
主な理由は、根管の構造が複雑で、細菌を徹底的に除去するために慎重な処置が求められること、感染の程度によって治療回数が増えることなどが挙げられます。時間がかかっても、根管治療を受けることには多くのメリットがあります。
自分の歯を残すことで、噛む力や口腔の健康を維持できるだけでなく、抜歯後に必要となるインプラントやブリッジなどの治療を回避し、長期的なコストも抑えられます。また、感染が進行すると全身の健康へ悪影響を及ぼす可能性もあるため、早めの治療が重要です。
根管治療は時間を要する方法ですが、適切な治療を受けることで歯を長く維持できます。治療期間が長くなっても、継続することが大切です。
根管治療を検討されている方は、兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科にご相談ください。
当院は、0歳から100歳まで家族みんなで安心して通える歯医者を目指して診療を行っています。小児矯正・小児歯科や成人矯正、虫歯・歯周病治療やマタニティ歯科など、さまざまな分野に力を入れています。
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奥村亮司