こんにちは。兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科です。
「歯周病ってよく聞くけどどういう病気だろう?」「歯周病は歯磨きで治るものなの?」と疑問をお持ちの方もいるでしょう。
今回は、歯周病の原因や歯周病を予防できる歯磨きの仕方について解説します。歯ブラシの選び方も伝えますので、ぜひ参考にしてください。
歯周病は歯磨きで治る?
結論からお伝えすると、歯周病は歯磨きだけでは治りません。
ただし、歯磨きをしっかりおこなうと歯周病の予防につながります。歯磨きは歯周病だけではなく、虫歯や口臭の予防にも繋がるので丁寧に行いましょう。
歯周病とは?
歯周病は、プラーク(歯垢)の中にある歯周病菌が、歯と歯茎のスキマにある歯周ポケットへ侵入して炎症を引き起こす病気です。最初は歯茎が腫れる程度ですが、そのまま放置して悪化すると最終的には歯が抜ける可能性があります。
初期の歯周病では、歯茎が腫れる、歯磨きした時に出血する、歯茎が下がって歯が長く見えるなどの症状が現れます。痛みなどの不快な症状はあまり現れないので、歯周病になっていることに気づかない方も少なくありません。
歯周病が悪化すると、歯がグラグラする、口臭が強くなる、歯茎から膿が出るなどの症状が出始めます。そのまま放置すると、最終的には顎の骨が溶かされて歯が抜け落ちるでしょう。
歯周病菌が与える全身への悪影響
歯周病菌は、歯茎や口内だけではなく全身へ悪影響を与えます。歯周病菌が与える影響は、以下のとおりです。
早産・低出生体重児
妊婦が歯周病になると、早産や低出生体重児のリスクが高まります。
歯周病が進むと、歯茎で作られた炎症物質と歯周病菌が、毛細血管を通して全身を巡ります。炎症物質が子宮に到達すると、子宮を収縮させるので早産などにつながると言われています。
一般的に、妊娠中は女性ホルモンの影響で歯肉炎になりやすいです。妊娠中に歯茎が腫れている感覚があったら、放置せずに早めに歯科医院で診てもらいましょう。
糖尿病
糖尿病は、慢性的に血糖値が高くなる病気です。
歯周病菌が出す毒素が、血糖値を下げるインスリンの働きを低下させることがわかっています。そのため、歯周病が悪化すると糖尿病も悪化することが非常に多いです。
歯周病が改善されると糖尿病も改善されるケースも多く、密接に関わっていることがわかります。
心筋梗塞・狭心症
歯周病が進行して歯周病菌が増えると、歯肉の毛細血管を通して全身を回ります。歯周病菌は、やがて心臓の血管の壁に留まって炎症を起こします。
炎症部分が動脈硬化を起こすと心臓に酸素や栄養が届かず、心筋梗塞や狭心症に繋がります。
脳梗塞
歯周病菌は血流に乗るため、全身を巡ります。巡った歯周病菌は脳の血管を詰まらせる原因にもなり、脳梗塞を引き起こします。
健康な人と比べると、歯周病を患っている人は2.8倍脳梗塞になりやすいとされています。脳梗塞のリスクを減らすためにも、歯周病を予防・治療しましょう。
歯周病の原因
歯周病になる直接的な原因は、プラーク(歯垢)が歯周ポケットで繁殖し、炎症を起こすことです。様々な生活習慣が原因となるケースもあります。
歯周病の原因は、以下のとおりです。
偏った食習慣
やわらかいものや甘いものばかり食べていると、歯周病の原因となるプラーク(歯垢)が増えやすくなります。また、食事時間が決まっていなかったり栄養バランスが悪かったりすると、免疫力が低下するため口内だけでなく全身の健康状態が悪くなるでしょう。
喫煙習慣がある
タバコに含まれているニコチンは、血管を収縮させ歯茎の血行を悪くします。また、タバコの煙に含まれる一酸化炭素は、酸素を運搬するヘモグロビンの濃度を低下させるため、歯茎の酸素が不足します。
血行不良・酸素不足で歯茎や歯の周りに栄養が行き渡らなくなると、細菌への免疫力が下がるので歯周病になりやすいでしょう。
過度のストレスを抱えている
過度のストレスがかかると、身体の抵抗力が下がります。また、丁寧に歯磨きをおこなう余裕がないとプラーク(歯垢)や歯石が溜まり、歯周病になりやすい口内環境になるでしょう。
適度なストレスは生活に良い刺激を与えますが、過度のストレスは歯周病の悪化はもちろん、心身ともに悪影響を与えるので注意が必要です。
歯周病を予防する歯磨きの仕方
歯周病を予防するためには、丁寧なセルフケアでプラーク(歯垢)を落とすことが大切です。プラーク(歯垢)は歯の表面にネバネバとついている白色・乳白色の汚れです。
プラーク(歯垢)を長期間放置していると、歯石になります。プラークの状態なら歯磨きで落とせますが、歯石は落とすのが難しいです。
そのため、歯石になる前にしっかりとプラークを落とすことが重要です。歯周病を予防する歯磨きの仕方は、以下のとおりです。
バス法で磨く
歯周病を予防するには、歯周ポケットの汚れやプラーク(歯垢)を落とすことが大切です。バス法は、歯ブラシを歯と歯茎の間に45度の角度であてて、小刻みに動かしながら汚れを落とす磨き方です。
歯周ポケットの奥まで歯ブラシを入れ込むイメージを持ちつつ、優しい力で磨くことを意識しましょう。力を入れすぎると歯や歯茎にダメージを与える可能性があります。
タフトブラシで細かい部分を磨く
歯と歯が重なり合っている部分がある患者さまもいるでしょう。歯が重なり合っているところは、通常の歯ブラシだけでは磨きにくいです。細かい部分も磨けるタフトブラシを使用すると、効果的に汚れを落とせます。
歯間ブラシやデンタルフロスを使用する
丁寧に歯磨きをおこなっていても、歯ブラシだけでは汚れが残ることもあります。そのため、歯間ブラシやデンタルフロスも使用しましょう。
歯間ブラシやデンタルフロスは、歯と歯のスキマにつまった汚れを掻き出す道具です。歯間ブラシは人によって適切なサイズが違いますので、サイズ選びに困ったら歯科医院で相談してください。
デンタルフロスは、経済的なロールタイプと初心者でも使いやすいホルダータイプがあります。価格や使いやすさで選択しましょう。
マウスウォッシュを使用する
丁寧に歯磨きをおこない、タフトブラシや歯間ブラシ・デンタルフロスで細かい部分のプラーク(歯垢)も落としたら、最後の仕上げにマウスウォッシュを使用しましょう。市販のものでもかまいませんが、歯科医院で販売されているマウスウォッシュを使用するとより効果的でしょう。
歯ブラシの選び方
歯周病予防に使う歯ブラシは、出血や腫れが酷くならないように、やわらかめを選択しましょう。また、歯周ポケットの奥の汚れまで掻き出せるように、歯ブラシの毛先は超極細を選択するとよいでしょう。
ただし、やわらかめの歯ブラシは、普通のものよりもコシが弱く汚れが落としにくいです。やわらかめの歯ブラシを使用するときは、普段よりじっくり時間をかけて磨いてください。
患者様の声
当院に通ってくださっている患者さまのお声をご紹介します。
定期健診で通っている方の口コミ
定期検診で通っています。自費のクリーニングと歯茎のマッサージで毎回歯がツルツルになります。ポイックウォーターも合わせて使用していますが、歯茎の状態も良くなり痛みを感じることがなくなりました。
口の中をできるだけ良い状態に保ちたい方にはおすすめの歯医者さんです。
子供と一緒に来院された方の口コミ
私と娘の虫歯や定期検診でお世話になっています。歯のすり減りがあるとの事で、睡眠時につけるマウスピース(保険適用)も作って頂きました。
スタッフさん全員が優しく丁寧な対応をしてくださいます。設備も最新で整っており、院内も清潔でとても綺麗です。
これからもお世話になりたいと思っていますのでよろしくお願いします。
まとめ
歯周病は、歯磨きなど患者さまご自身の努力だけでは完治が難しいです。プラーク(歯垢)が歯石になると、自分では取れなくなるからです。
そのため、丁寧なセルフケアを行い、歯周病を予防することが重要です。力を入れずに歯ブラシを小刻みに動かしながら、歯と歯茎のスキマを優しくブラッシングしてプラーク(歯垢)も落としましょう。
口内全体の歯磨きが終わったら、タフトブラシや歯間ブラシ・デンタルフロスを使って、歯と歯のスキマの汚れも落としてください。プラーク(歯垢)や食べカスをしっかり落としたら、マウスウォッシュを使用すると良いでしょう。
丁寧な歯磨きで口内を清潔に保ち、歯周病を予防しましょう。