こんにちは。兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科です。
「ワイヤー矯正中の痛みはどうしたらいいの?」と不安に思う方は多いと思います。ワイヤー矯正は、マウスピース矯正に比べて歯にかかる圧力が強く、金属が内側の粘膜や舌に触れて痛みを感じることが多いです。
本記事では、ワイヤー矯正中に痛みが生じる原因と対処法について解説します。
ワイヤー矯正とは
ワイヤー矯正とは、歯並びや噛み合わせの問題を改善するための治療法です。
ワイヤー矯正では、歯にブラケット(小さな金属またはセラミック製の部品)が取りつけられ、ブラケットをつなぐワイヤーを使って歯を所定の位置に動かします。ワイヤーには、一定の力がかかり、力が歯に伝わることで歯が徐々に動きます。また、矯正の進行に合わせて、定期的にワイヤーやブラケットの調整を行う必要があるでしょう。
ワイヤー矯正の期間は、個人差がありますが、通常1年半~2年程度が一般的です。矯正治療が終了したあとも、リテーナーとよばれる保定装置を使用して、歯が元の位置に戻らないように固定する必要があります。
ワイヤー矯正中に痛みを感じるタイミングと原因
ワイヤー矯正では、金属が内側の粘膜や舌に触れることや歯に圧力がかかることで痛みが生じます。また、歯科医院での矯正装置の取り外しや調整のときも痛みを感じることが多くあります。
ブラケットやワイヤーをつけるとき
ワイヤー矯正を始めるときに、医師が歯にブラケットとワイヤーを取りつけます。初めて矯正装置を装着するときは、歯や歯茎に違和感や圧迫感が残りやすいです。
一般的に痛みや違和感は2~3日で軽減します。
矯正装置の調整や交換をするとき
定期的な検診で医師がワイヤーやブラケットの調整や交換を行います。
調整や交換時の痛みは一時的で、一般的に2~3日ほどで軽減します。
歯が動いているとき
歯が矯正装置によって所定の位置へ動く過程で、歯や歯茎に圧力がかかります。圧力により、歯根や歯周組織に痛みや違和感が生じることがあるでしょう。
痛みは個人差がありますが、矯正治療が進むにつれて徐々に痛みが軽減します。
矯正装置が粘膜などに触れているとき
ワイヤー矯正装置が内側の粘膜や舌に触れることで、痛みや違和感が残ることがあります。矯正装置を取りつけたばかりの頃は、口の中に物が入っていることに慣れていないからです。
また、ブラケットやワイヤーが粘膜に摩擦を与え、傷や炎症が生じることもあります。
食べ物を噛むとき
ワイヤー矯正中は、歯が動いているため、食べ物を噛むときに痛みや違和感が残ることがあります。特に、硬い食べ物や大きなかたまりの食べ物を噛むときに、歯にかかる力が増すため、痛みが強くなることがあります。
歯磨きするとき
ワイヤー矯正中は、歯磨きに慣れるまで痛みや違和感が残ることがあります。ブラケットやワイヤーの存在により、歯ブラシがあたる部分が変わるため、慎重に歯磨きする必要があります。
痛みをさけるために、歯磨きのときはやわらかめの歯ブラシを使用し、優しく磨くとよいでしょう。
ワイヤー矯正中の痛みはどのくらい続くのか?
ワイヤー矯正装置を初めて取りつけたときは、およそ1週間程度痛みが持続することが一般的です。1週間の目安は、歯と歯周組織が矯正による力に順応するまでの時間が関係しています。
矯正治療中に定期的に行われる装置の調整も、痛みを引き起こす原因となります。特に、2回目以降の調整では、調整が行われたあとの2〜3日間が最も痛みが強く、その後は次第に痛みが軽減されるでしょう。歯が動く過程での痛みは、基本的に2~3日で解消されることがほとんどです。
ただし、痛みが続く場合は、何らかの問題が起こっている可能性があるので、歯科医院で確認してもらうことが大切です。
ワイヤー矯正中に痛みを感じたときの対処法
ワイヤー矯正中に痛みを感じた場合の対処法をご紹介します。以下の対処法を試しても改善されない場合は、早めに歯科医師にご相談することが大切です。
ワイヤーを調整してもらう
矯正装置のワイヤーがきつく締めつけられている場合、歯への圧力が増加し、痛みが強くなることがあります。ワイヤーを取りつけたあとの最初の1週間程度は、初めて歯への圧力がかかり、歯槽骨が吸収し始めるため、比較的強い痛みが生じます。ワイヤーを取りつけたあとの1週間程度で強い痛みは軽減することが多いですが、場合によっては痛みが長引くこともあるでしょう。
歯を移動させるためには、一定の圧力が必要ですが、痛みがひどくて眠れない、食事ができないといった状態が続くと、日常生活に支障をきたす可能性もあります。痛みがある場合は、遠慮なく歯科医師にご相談し、ワイヤーの圧力を調整してもらいましょう。
鎮痛剤を使用する
歯に圧力がかかることで、周囲の骨が吸収と再生を繰り返し、炎症が生じます。歯列矯正は、周囲の骨の吸収と再生を利用した治療ですが、痛みが耐えられないほど続く場合は、鎮痛剤を使用することもあるでしょう。
ただし、市販の痛み止めを頻繁に服用すると、歯周組織の炎症がおさえられ、歯の動きがにぶくなることがあります。鎮痛剤を使うときは、医院で処方されたものにするか、市販のものを使用する場合は歯科医師にご相談ください。
硬い食べ物をさける
硬い食べ物は、噛むときに歯に圧力を加えるため、矯正治療中はできるだけさけましょう。部分矯正などで全ての歯に矯正装置がついていない場合でも、装置がない歯だけで食べると、顎の筋肉のバランスがくずれ、噛み合わせが悪化することがあります。
特に、痛みが生じやすい矯正治療の初期段階は、おかゆなどのやわらかい食べ物を摂取するのがよいでしょう。
矯正用ワックスを使用する
ワイヤー矯正装置が頬や舌に触れて痛みを感じる場合は、歯科医院で販売されている矯正用ワックスを使って保護することも効果的です。矯正用ワックスは、適量を丸め、痛みを感じる部分の装置に優しく押しつけるように使用します。
ただし、矯正用ワックスは食事や歯磨きのときに簡単に取れるため、定期的に交換が必要です。
患部を冷やす
歯の動きによって痛みを感じる場合は、痛む部位を冷やすことが効果的です。保冷剤や氷を薄い布で包み、冷やして様子をみましょう。お風呂あがりや寝る前など、体が温まると痛みが増すため、眠れないときに有効です。
ただし、頻繁に冷やしすぎると矯正力が弱まることがあるため、注意が必要です。痛みを予防するために、長時間の冷却はさけましょう。
ワイヤー矯正中の痛みが続くときは
ワイヤー矯正中に痛みが続くときは歯科医師に相談しましょう。
さまざまな対処法を試しても痛みが改善されない場合や、耐えられないほどの痛みを感じる場合は、歯科医師のアドバイスや処置が必要です。自己判断に頼らず、専門知識をもつ歯科医師にご相談し、痛みの原因や適切な対策をとることが重要です。
また、歯列矯正に関するお悩みや疑問がある場合も、歯科医師に相談してみましょう。
歯科医師は専門的な知識と経験があるので、患者さまのお悩みや疑問に対して適切なアドバイスをしてくれます。矯正治療は長期間にわたるため、信頼できる歯科医師と、コミュニケーションを取りながら治療を進めることが成功への鍵となります。
患者様の声
矯正でこどもがお世話になっています。まだ始めて半年ほどですが、少しずつ歯並びがよくなっており、嬉しく思っています。一度、診察して調整していただいた矯正が痛いと夜に言い出して困りましたが、朝一番にお電話させていただきました。学校から帰宅してすぐに診ていただき、調整していただけてとても助かりました。土曜日の診察も可能で、こどもを連れて行くのに選択できる時間帯が多く、とても助かっています。
マウスピース矯正でお世話になっています。すばらしい歯医者さんで、父やおばさん、友達にも当院を紹介してしまうほどです。痛いことが苦手でなかなか歯医者さんに行けないタイプの人間でしたが、主治医の杉本先生と歯科衛生士の猪嶋先生の「痛くない治療」のおかげで、2年間通うことができています。先生方は、私が痛みに弱いことを理解して、丁寧な声かけをしながら治療してくださり、表面麻酔等を取り入れて痛みの少ない治療法を提案してくれます。おかげさまで、親知らず2本を抜くことができましたし、歯並びも綺麗にそろってきました。予約が取りづらくなると思うとおすすめしたくない気持ちもありますが、痛いのが苦手な方に本当におすすめの歯医者さんです。
まとめ
ワイヤー矯正は、歯を整える効果が高い一方、痛みを伴うことがあります。痛みが耐えられない場合でも、適切な対処法が存在するので我慢せず歯科医師にご相談ください。
ワイヤー矯正による痛みが不安な方は、痛みが少ないとされるマウスピース矯正も選択肢としてあげられます。マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比較して適用範囲が限定されることがあるため、治療方法を決める前に必ず歯科医師とご相談ください。
ワイヤー矯正を検討されている方は、兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科にご相談ください。
奥村亮司