こんにちは。兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科です。
仕上げ磨きをしているとき、乳歯が黒く見える部分がある、歯の表面にある黒い点が歯ブラシでこすっても取れないなど、歯の色の変化に気付いたことはありませんか。上の奥歯は見えにくいため、いつから黒くなっていたのだろうと不安になる方も多いでしょう。
今回は、乳歯が黒色や茶色に変化している場合の原因や治療法について解説します。自宅でできる予防法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
乳歯が黒いのは虫歯?
乳歯が黒くなる原因は、虫歯だけではありません。虫歯のほかに、着色汚れや虫歯予防の薬剤による変色があります。虫歯で黒く変色している場合でも、初期の虫歯では歯を削らずに、フッ素や薬を塗って経過観察する場合もあります。
まずは、歯科医院を受診して、乳歯が黒くなった原因を確認しましょう。
乳歯が黒くなる原因
乳歯が黒くなる主な原因は、以下のとおりです。
虫歯の進行
乳歯が黒くなる原因として、初めに虫歯を思い浮かべる方が多いでしょう。
虫歯は、以下のような経過で色が変化します。
<虫歯の色の変化>
時期 | 色の変化 |
---|---|
初期 | 天然の歯の透明感がなくなり、濁った白色になる |
中期 | 黄褐色・茶褐色になる |
後期 | 黒色になる |
虫歯になりやすい歯の部位は、奥歯の噛む面の溝です。歯の溝に黒い点が出てきたり、溝に沿って黒い線が出現したりします。
こどもの口内は狭く、特に上の奥歯は目で見て確認するのが困難です。奥歯の周辺は唾液の循環がうまく行われず、汚れがたまりやすいため、虫歯になりやすい場所といえます。仕上げ磨きの際は、ライトやミラーを利用してしっかりチェックする必要があります。
着色汚れ
歯の溝は狭くて深いため、汚れが入り込むと取れにくくなります。また、一度着色すると通常のブラッシングで除去するのは困難です。
歯磨きで落とせない場合でも、歯科医院で専用の器具を使用したクリーニングをすることで、着色を除去できます。
着色を取ろうと、研磨剤が多く含まれた歯磨き粉で過剰にこすると、歯の表面に傷をつけてしまい、ますます着色しやすくなる場合があります。そのため、乳歯であっても着色汚れが気になる場合は、歯科医院で適切な処置を受けるとよいでしょう。
歯の神経が死んでいる状態
歯の神経が死んでしまうと、歯全体が灰色に変色します。特に前歯の場合、転倒して歯を打ったことが原因で歯の神経がなくなるケースがよくあります。軽い衝撃でも神経が死んでしまうことがあり、本人や保護者の方も原因が分からない場合もあるでしょう。そのため、仕上げ磨きの際は、歯全体の色の変化も確認しましょう。
歯の神経が死んでいる場合、歯の根っこの先に膿がたまるため、歯茎が腫れる場合があります。歯の色だけでなく、歯茎の状態も慎重に確認するとよいでしょう。
歯の神経が死んでしまった状態で放置すると、永久歯に悪影響を及ぼす恐れがあるため、早めに歯科医院で治療を受けることが大切です。
サホライドによる変色
乳歯が黒い場合、サホライド治療による変色の可能性も考えられます。
サホライドは、虫歯の進行を抑える作用がある歯科専用の薬剤で、サホライドを塗布すると歯が黒くなる特徴があります。サホライド治療は、歯を削らずに虫歯を治療できるため、治療が難しいこどもにとって有効な治療法です。治療後に歯が黒くなるデメリットがありますが、乳歯は生え替わるため、奥歯の場合はそこまで気にする必要はありません。
サホライド治療をした際は治療部位をメモするなど、治療部位が分かるようにしておくと虫歯かどうかの判断に役立つでしょう。
黒くなった乳歯を放置するリスク
乳歯が黒くなった原因が、着色やサホライド治療によるものであれば問題ありませんが、虫歯や歯の神経が原因の場合、永久歯にトラブルが起こる可能性があります。
虫歯が進行した場合や歯の神経が死んでしまった場合のリスクについて、詳しく解説します。
虫歯が進行すると痛みが生じる
虫歯で乳歯が黒くなっている場合、放置していると歯の内部まで虫歯が進行する可能性があります。特に、歯の溝が虫歯になると、見た目では判断しにくく、突然激しい痛みを感じるおそれがあります。
奥歯の場合、歯の溝は汚れが付きやすく虫歯のリスクが高まるため、丁寧に確認することが大切です。
虫歯が進行して歯が抜けると、永久歯の生えるスペースがなくなる
乳歯は、虫歯の治療をした後に詰め物をしても接着がうまくいかず、すぐに取れてしまいます。また、虫歯治療を行うたびに乳歯を削るため、乳歯が早い段階で抜けてしまう可能性もあるでしょう。乳歯が通常より早く抜けると、永久歯が生えるスペースが確保できず、歯並びが悪くなるおそれがあります。
乳歯は抜けるため、虫歯になっても問題ないと考える方もいますが、実は永久歯に悪影響を与える可能性があるため、注意が必要です。
神経が死んでいると永久歯に悪影響を及ぼすことがある
歯の神経が死んでいる場合、歯全体が灰色になります。歯の色には個人差があるため見分けがつかず、丁寧に観察しないと気付かないケースも多いです。
歯の神経が死んでしまい根っこの先に膿がたまると、下に埋まっている永久歯にトラブルが起こる場合があります。永久歯への影響については、レントゲンを撮影して確認しながら経過観察することになります。
歯科医院を受診し、トラブルを早期発見して迅速に対処することで、永久歯への影響を防げるでしょう。
黒くなった乳歯の治療法
乳歯が黒くなった場合の治療法は、黒くなった原因によって異なります。それぞれのケースについて、ひとつずつ解説します。
フッ素やサホライドを塗って経過観察する
削る必要がない初期の虫歯の場合は、フッ素を塗布して経過観察します。虫歯の症状によっては、サホライドを塗って虫歯の進行を予防します。
将来生えてくる永久歯の健康を守るためにも、乳歯をできる限り削らずに保存することが大切です。
虫歯を削って詰め物を入れる
虫歯を削ってレジンを詰める治療です。
視診だけでは虫歯の進行を確認することが難しいため、レントゲン撮影を行い、虫歯の進行度を確認しながら行います。
神経が死んでいる場合、歯の根っこの治療をする
乳歯も永久歯と同様に、歯の神経が死んでいる場合は、根っこの治療をしなければいけません。痛みがないからと放置すると、永久歯の色や形に影響が出たり、生えるのが遅くなる可能性があります。
歯の神経が通っていた部分を洗浄して、詰め物や銀歯を入れる治療を行います。
歯科医院でクリーニングする
着色によって黒くなった場合は、歯科専用のブラシでクリーニングすることで着色除去が可能です。着色を取ろうと歯ブラシで強くこすりすぎると、歯ブラシが歯茎に当たって歯茎を傷つけるおそれがあります。
歯科医院には、乳歯のサイズにあった小さなクリーニング器具が揃っています。歯の表面を傷つけないようにクリーニングを行い、表面をツルツルに仕上げることで、着色を予防することができるでしょう。
乳歯が黒くならないための予防法
乳歯が黒くなると、歯に問題がない場合でも歯の色が目立つため、気になる方もいるでしょう。
以下、乳歯の黒ずみを予防する方法をご紹介します。
ミラーを使用して歯の溝や奥歯をチェックする
上の奥歯など視認が難しい部位は、口腔内用の小さなミラーを使用して歯の色を確認しましょう。特に、奥側は唾液が循環しにくく、汚れが残りやすいため、虫歯のリスクが高まります。
また、歯の神経が死んでいる場合は、一点が黒くなるのではなく、歯全体が灰色になるので、隣の歯との色の違いにも注目しましょう。
乳歯の黒い部分は、電動歯ブラシで強くこすったりしないように注意が必要です。虫歯の歯の表面は柔らかくなるため、こすることで虫歯が進行する恐れがあります。ブラッシングは軽い力で丁寧に行い、はやめに歯科医院を受診しましょう。
定期検診で虫歯を早期発見する
虫歯の初期段階で発見できると、フッ素の塗布やブラッシング方法を改善することで虫歯を予防することができます。
自宅でできる虫歯の予防方法としては、フッ素洗口や、フッ素入りの歯磨きジェルの使用がおすすめです。
着色しやすいものを食べたあとは歯を磨く
チョコレートやココア、お茶、ぶどうジュースなど、ポリフェノールが多く含まれた食材は着色しやすいです。
着色を防ぐためには、成分が歯に吸着する前に歯を磨くことが重要です。外出先など歯を磨けない場合は、水で口をゆすぐとよいでしょう。うがいをするときは、歯の汚れが取れるようにしっかりとぶくぶくうがいをしましょう。
患者様の声
怖がりのこどもがお世話になっています。女性の先生にいつも診察していただきますが、こどもにどのような治療を行うか優しく説明をし、確認をしながら治療をしてくださるので、こども自身も安心して治療を受けています。治療中、とても誉めてくださるので、とても嬉しいようです。今では自分から「歯医者さんに行きたい」と言って、予約をせがまれるほど大好きなようです。歯科衛生士さんや受付の方もとても親切です。
こちらに通う前に、別の歯医者さんで歯医者が怖くなってしまった3歳の娘がいます。椅子に座ることなんて全然ダメで、会話をかき消すほどの大声で泣き喚いていた娘でしたが、かかりつけ歯科を宝塚ライフ歯科さんに変更してからは、さすがに初日は過去のトラウマで手をつけられないほど大泣きでしたが、先生も歯科衛生士さんもとても優しく、子供が楽しく通える工夫をしてくださり、泣いていたことが嘘のように進歩しました。娘は、ほかの先生やスタッフの方にもいつも挨拶するのですが、みなさん優しく接してくださるので、とても楽しい場所だと思っているようです。クリニックをここに変えて本当によかったと思っています。
まとめ
乳歯が黒くなる原因は、虫歯や着色汚れ、歯の神経のトラブルが考えられます。適切な治療を受けるためには、黒くなった原因を知ることが重要です。
乳歯が黒くなった状態で放置すると、将来生えてくる永久歯に悪影響を与える可能性があるため、はやめに歯科医院を受診しましょう。定期検診を受けていると、黒く変色する前の初期段階で発見できるため、虫歯予防にもつながります。痛みや症状がなくても、定期的に歯科医院を受診しましょう。
こどもの虫歯の治療を検討されている方は、兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科にご相談ください。
奥村亮司