こんにちは。兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科です。
歯のクリーニングは、歯垢や歯石、着色汚れなどを除去します。虫歯や歯周病を予防し、見た目をきれいにすることも可能です。口腔内の清潔を保持し、美しい笑顔を手にいれるには、歯のクリーニングが欠かせません。
今回は、歯のクリーニングの重要性、混同しやすいホワイトニングとの違いについて解説します。
歯のクリーニングの重要性
歯垢が硬くなった歯石は、一度形成されるとふだんの歯磨きだけでは除去することが難しいです。
歯石は、細菌にとって絶好の増殖場所になります。歯石を放置することは、歯周病を誘発する原因になります。歯周病は、生活習慣病や動脈硬化などの疾患と密接に関連しているとされるため、健康維持の観点から考えても歯石の除去は欠かせません。
口内細菌によって生成されるガスは口臭の原因となります。毎日丁寧に歯磨きをしているにも関わらず口臭が気になる場合は、歯石の除去が必要かもしれません。
クリーニングをすることで歯の表面の汚れや色素が取り除かれるため、歯本来の白さが復活します。日々の歯磨きでは取り除けなかった汚れがなくなることで、歯が白くなり、顔の印象が大きく変わることもあるでしょう。クリーニングを行うことは、口内環境の改善や健康の維持、見た目の印象の向上など多面的なメリットがあります。
歯のクリーニングでは何をする？
歯のクリーニングとは、歯の表面や歯と歯茎の間に蓄積された汚れやプラークを取り除くことです。特別な器具を用いて行われ、歯科医院で実施されます。クリーニングの目的は、口腔内の清潔さを保って口腔疾患を予防することです。
クリーニングでは、プラークや歯石などの汚れを取り除きます。自宅でのブラッシングで除去することは難しく、特に歯石は専門的なクリーニングを必要とするのです。歯石は、表面が粗く汚れが蓄積しやすいため、放置すると口腔内の衛生状態を悪化させます。
クリーニングは、コーヒーやお茶による歯の黄ばみを軽減する効果も期待できます。クリーニングの一環として、患者さまにブラッシング指導も行うこともあるでしょう。
歯のクリーニングは、保険診療と自由診療の2種類があります。保険診療のクリーニングは、歯周病の治療として行われます。歯科医師の診断によって、歯周病の治療としてプラークや歯石の除去が必要であると判断された場合に適用されます。
自由診療のクリーニングは、口腔の健康状態が良好である方が、口腔衛生の向上や歯周病の予防のために受けるものです。保険診療と異なり、自由診療では歯周病の診断が必要なく、検査をせずに施術を受けられます。
クリーニングの具体的な手法には、音波を利用して歯石を除去する超音波スケーリング、歯周ポケットの清掃に使われるルートプレーニング、フロッシングによる歯間の掃除などがあります。特殊なパウダーを用いて歯の着色汚れを落とす「エアフロー・ジェットクリーニング」という方法が用いられることもあるでしょう。
歯のクリーニングとホワイトニングの違い
歯のクリーニングとホワイトニングは、目的や効果が異なります。
ホワイトニングは、歯の見た目の美しさを重視するケアの一つです。主に、歯自体を白く見せるケアとして知られています。
歯が黄ばむ原因の一つは、歯の内側にある象牙質が、表面のエナメル質から透けて見えることです。象牙質は年齢とともに厚くなり、黄ばみが目立つようになります。内側に原因がある黄ばみに対して、専用の薬剤を浸透させて科学的に歯を白くするのがホワイトニングです。
ホワイトニングには、歯科医院で行うオフィスホワイトニングや、自宅で行うホームホワイトニング、両方を組み合わせて行うデュアルホワイトニングがあります。ホワイトニングは歯の色を白くすることが目的なので、色の濃い飲食物による変色も改善できます。
歯のクリーニングは、主に歯に付着したプラークや歯石を取り除くことが目的のケアです。茶渋やコーヒーのステイン、タバコのヤニなどの表面的な汚れや黄ばみは除去できますが、歯自体の色を白くすることはできません。
ホワイトニングとクリーニングは、異なる役割を持っています。クリーニングは、虫歯や歯周病などの予防・口腔の健康維持を目的とし、ホワイトニングは美しさの向上を目的として行います。虫歯や歯周病、欠けた歯がある場合はホワイトニングできない可能性があるため、事前に治療を行いましょう。
歯のクリーニングを受ける頻度
歯のクリーニングを受ける頻度は、患者さまの状況によって異なります。以下、それぞれのライフスタイルや状態によって推奨されるクリーニングの頻度を解説します。
日頃から丁寧に歯磨きをしている人
日頃から丁寧に歯磨きを行なっている人は、3〜6か月に一度の頻度でクリーニングを受けるとよいでしょう。ブラッシングを正しい方法で行い、歯間ブラシやデンタルフロスも使っている人、歯並びがよく磨き残しのリスクが少ない人、歯石がつきにくい体質の人は、3〜6か月に一度のクリーニングで口内を清潔に保てます。
毎日しっかりと歯磨きができない人・歯並びがよくない人
歯磨きを丁寧に行えない人や忘れてしまう人、歯並びがよくない人は、1〜2か月に一度を目安にクリーニングを受けてください。歯並びが悪いと、磨き残しが生じやすくなり、歯石の形成リスクが高まります。
歯石が付着しやすい人
体質や生活習慣が原因で歯石が付着しやすい人は、2〜3か月に一度、クリーニングを受けましょう。唾液の分泌量が多い人や甘いものを頻繁に食べる人は特に注意が必要です。
虫歯ができやすい人
甘いものを頻繁に食べる人や口呼吸をしている人、詰め物や被せ物を多く使用している人などは、虫歯ができやすいです。1〜2か月に一度を目安にクリーニングを受けましょう。
歯周病の人
歯周病の人は、1〜2か月に一度、クリーニングを受けてください。クリーニングを継続的に行うことで、歯周病の進行を抑えることができます。
歯の着色が気になる人
歯の着色が気になる人は、2〜3か月に一度を目安にクリーニングを受けましょう。歯の着色は、コーヒーや紅茶、赤ワイン、ソースなどの飲食物によって引き起こされます。色素の濃い飲食物を避けることで、歯の着色を予防できます。
喫煙習慣がある人
喫煙習慣がある人は、1〜2か月に一度の頻度でクリーニングを受けてください。タバコに含まれるタールによって歯が着色するため、定期的なクリーニングが必要です。
歯のクリーニングの費用
歯のクリーニング（PMTC）にはさまざまな種類があります。治療内容別の費用相場を表にまとめました。
＜治療内容と費用相場＞
| 治療内容 | 費用相場 |
|---|---|
| 歯石取り | 保険適用：約3,000〜4,000円 自費診療：約8,000円 |
| スケーリング | 約3,000円 |
| ルートプレーニング | 1歯：約200円 |
| エアフロー・ジェットクリーニング | 約4,000〜6,000円 |
歯周病の治療目的として行われる歯石取りは保険適用の対象になりますが、歯を美しく見せたいなどの審美目的の場合は自費診療になります。
まとめ
歯のクリーニングは、主に歯科医院でプロが行う歯の清掃のことです。ふだんの歯磨きでは除去できない汚れを落とせるため、虫歯や歯周病予防に効果があります。
歯のクリーニングでは、歯垢や歯石を除去するため歯本来の白さに戻ります。そのため、色の濃い食べ物を頻繁に摂取する人や喫煙習慣がある人は、歯のクリーニングによって歯が白くなることもあります。
ただし、歯のクリーニングは歯の表面に付着した汚れを落とすだけなので、歯そのものを白くするわけではありません。歯を内側から白くする治療は、ホワイトニングです。ホワイトニングは薬剤を浸透させることで、歯の内側の黄ばみを白くします。
歯のクリーニングは虫歯や歯周病の予防のため、ホワイトニングは歯を美しく見せるためと、治療目的が異なるのです。
歯のクリーニングは治療内容がいくつかあり、保険適用と自費診療のものがあります。それぞれ処置内容や目的が異なるので、歯科医師に相談して自分に合う治療を受けましょう。
クリーニングを検討されている方は、兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科にご相談ください。
奥村亮司
